MATSUのごくありふれた平凡な日々
「わっかりました」
「よろしく、松さん」
「はい・・って、名字で・・」
暁の背は既に事務所から出ていた。
悔しい・・・。
松は右を見て左を見る。
元々、松の座っている席は窓口で、経理部の性質上、他の席は奥の方に外から目につかないよう、
位置している。
今の会話が、他に気づかれた様子はない。
安堵のため息をつくと、クリアファイルから領収書の束を出した。
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