MATSUのごくありふれた平凡な日々
「手間ってね、会計監査で必要なんです。
営業部のやりたい放題を野放しにしてたら、違法行為の横行じゃない」
松も負けていない。
「あんたたち食事が不味くなるから止めてくれる?」
美紀が低い声で制した。
「会計士の言いなりじゃなくて、現場との折り合いを見つけるのが経理の役目じゃないの。
会計事務所の出先機関じゃないんだから」
暁は松を見もせず、醒めた声で言うと、白米を口に運ぶ。
「暁」
美紀が怖い声を出す。