MATSUのごくありふれた平凡な日々
3.
*
それから時間がある時にコツコツと修正を加える。
上司のOKをもらい、会計士にお伺いをし、少しづつ形を整えていった。
来週には新書式として、会社内に発信できそうだ。
これで営業部の奴らを黙らせることが出来る、はず。
松はぐふふと不気味に笑う。
出来た書類を片付け、壁の時計を見上げると、だいぶ遅くなっていた。
パソコンを落とすと、荷物を持って席を立つ。
「あれ?美紀、残業?」
帰り際に寄ったトイレから出ると、廊下に美紀の後姿を見つけた。
一瞬間があって、美紀は振り返った。