MATSUのごくありふれた平凡な日々

「松。
 まだいたの?」
「えぇっ??」

なんだそりゃ、と思って問い返す。

「美紀こそ。経理になんか用?」
「ええ、ちょっと、常務に書類を頼まれて。
 でも、もうみんないないのね」
「うん。
 私で最後だよ。
 受け取ればいいのだったら、受け取るけど」
「いいわ、またにする」

美紀と松は連れ立ってエレベーターホールに向かった。

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