MATSUのごくありふれた平凡な日々
4.
*
無事に修正版出張報告書は社内に通知された。
これで営業部の奴らは黙るはず。
不敵に笑う。
自分で自分を祝うために、美紀を夕食に誘った。
行くところはいつもの居酒屋だ。
「松さん、やりましたよ」
「うん、お疲れ」
盛り上がっている松の隣で美紀は枝豆をつまむ。
「これで営業部の奴らは黙るはず」
「そうね~~」
美紀は気のない返事をして、居酒屋の入り口に目をやった。