MATSUのごくありふれた平凡な日々

「はい、じゃあ、お疲れ!」

暁の発声で、皆グラスを合わせた。

一気にグラスを空けた松は、縁側に座ったまま、ご機嫌で空を見上げた。

一面の藍色に太陽の残り陽が走っている。

もうそろそろ花火が上がるだろう。

毎年、この花火を見て、夏が終わる。

なんだか今年の夏は充実した気がする。

なんでだろ。

なんでかわからないけど。

いい夏だったなあ~。

松はぼんやりとした顔で笑いながら夜空を眺め続けていた。

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