MATSUのごくありふれた平凡な日々
戸惑っていると、男性の影が動いて、美紀越しに男性と目が合った。
うわー、出た。
男性が暁なことに、松は引き気味になった。
その暁の瞳に、なんだか妖しげな光が帯びる。
薄く笑った感じがして、暁が長い指を美紀の後頭部に回し、顔を傾けて近づけた。
松は固まった。
目を見開いて、息を詰める。
暁は少し顔を離すと、瞼を上げて、松と目を合わせた。
口元が微かに笑って、ちろりとくちびるをなめる。