MATSUのごくありふれた平凡な日々
松は我に返ると、踵を返して、店を飛び出していった。
「で、何してくれてんの」
「え?何もしてないじゃないか。
フリだけで」
暁は飛びのくように体を起こすと、再びグラスを手にする。
「あんた、本当に松をいじめるの好きね」
黙って肩をすくめている。
「で、何してくれるんのよ。
友情にヒビが入ったらどうしてくれるの」
「そんなんで入るなら、友情じゃないんじゃ?」
美紀はため息をついてグラスを傾ける。