MATSUのごくありふれた平凡な日々
7.
*
松が出勤をすると、経理部の前の壁に美紀が寄りかかっていた。
腕を組み、足を若干クロスさせている立ち姿は、モデルのようだ。
松に気が付くと、腕を解いて、体を向けた。
「おはよ」
「うん、おはよ」
若干、気後れをしながらも返す。
「ちょっといい?」
松は迷った後、うなずいた。
毅然とした背中に揺れている髪の毛を眺めながら、ついていく。