MATSUのごくありふれた平凡な日々

おなじ黒髪のロングなのに、全然印象が違う。

今時、ストレートロングなんて人は少ないのに、美紀にはよく似合い、色気が漂う。

自分は面倒なので、放っておいているからロングな訳で、地味な感じだ。

ただ無造作に一つに纏めているせいなのか?

美紀は手近な空いている会議室に滑り込むと、松も後を続いて後ろ手でドアを閉めた。

くるりとこちらを向いた美紀の眉間にしわが寄っている。

おっと、美人が台無しだ。

「昨日の、誤解だから」
「はい?」
「だから。
 暁とキスしてないわ」
「あ・・・はい」

いきなりの直球に、ただうなずく。

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