MATSUのごくありふれた平凡な日々

「松」
「手伝うね」
「ありがとう」

美紀がやっとほっとしたように笑った。

「美紀、おまえ、今日はこれで帰った方がいい。
　同じことが起きる可能性があるから」

暁がその横顔を見て促した。

「いい、大丈夫。
　だって、私は悪いことはしていないのだから」

いつものきりっとした物言いが戻ってきた。

そんな美紀の様子に松の胸がちくりと痛む。