MATSUのごくありふれた平凡な日々
「じゃ、ちょっと行ってきます」
「え?って、ちょっと、どこへ」
「暁先輩、おれも行きます」
「僕もです」
「なになに、置いてかないでよ」
暁がくるりと振り返る。
「松さん。
責任取ってくださいね」
思わず口が開く。
「何言ってんの。
責任取るの、あんたでしょ」
暁は流し目をよこして、ふっと笑った。
「え?
ちょっと。
どういうこと」
しばし考え込む。
「松さん、早くしてくださいよ。
鍵かけるんですから」
瑠衣の厳しい声が玄関から聞こえてくる。
松は慌てて3人の背中を追いかけた。