でも、さわりたかったよ
回想
1年前の夏期補習の最終日、靴箱で先輩は小柄な女の子に向き合っていた。
「お前は俺のことどう思ってる?」
校則より短いスカートから細い足が伸びて、茶色い小さなローファーがその体を支えている。
彼女は少し間を置いて、ゆっくりと頭を下げる。
先輩はガッツポーズをして、天井を仰いで笑い出した。
鼻の前に丸くした手を添えて、つられたように笑うのは、華やかな色のリップを塗ったショートボブの可憐な人。
二人の世界は時を刻み始めた。私はその場に立っているのが精いっぱいだった。
「お前は俺のことどう思ってる?」
校則より短いスカートから細い足が伸びて、茶色い小さなローファーがその体を支えている。
彼女は少し間を置いて、ゆっくりと頭を下げる。
先輩はガッツポーズをして、天井を仰いで笑い出した。
鼻の前に丸くした手を添えて、つられたように笑うのは、華やかな色のリップを塗ったショートボブの可憐な人。
二人の世界は時を刻み始めた。私はその場に立っているのが精いっぱいだった。