綾川くんが君臨する
「どうしたの? 今日当番じゃなかったっけ」
「それが、すみません……! 実はさっき突然、超憧れの配信者さんからコラボのお誘いがきて、今日の17時からどうですかって」
「ええっ」
教室の時計を見る。
17時まであと10分しかない。
「この機会、絶対逃したくなくて……!
だから……、ええと」
配信者さんの世界なんてよくわからないけど、なんか瞳が燃えてるもん。
きっと、ユナちゃんにとって夢を叶える第一歩に違いない。
「それは急がないとだね、わたしが代わりに当番するから大丈夫だよ!」
「っ、先輩〜〜〜!」
ぎゅ!と抱きつかれた反動でよろめいた。
「本当にありがとうございますっ。今から空き教室で配信してきます!」
「うん。頑張ってね」
「はい! ……ところで、もしかしてそこの方って、アヤカワ先輩ですか?」