急募！ベリーの若様が花嫁を御所望です！

「今日も？」

「ううん、今日はちょっと遠くまで出張なんだって。泊まりになるかもって言っていたから、呼び出しは無いわ」

「ふうん、大変そうだな」

そう、大変…。
若様が…いっこうに花嫁を選んでくれないのだ…。

もうあれから三日も毎日通っているのに、色良い返事がもらえていない。
花嫁候補のお写真をじっくり見るわけでもなく、並べられた釣書にじっくり目を通すわけでもない。

「若様！早くお選びにならないと、一月なんてすぐに経ってしまいます！とりあえず、とっとと選んでしまって、お相手とお会いしないことには、若様が見たいと仰る『愛』など、ゆっくり育む時間もありませんよ！」

焦る亜里砂の顔をじーっと見ながら、のらりくらりと煙に巻いて…若様はいたって呑気なものなのだ。

昨日などは…とうとう…。
「そんなことより…一緒に寿司を食いに行かないか？」などと馬鹿なことを言ってきた。

「行きません！そんなことよりって何ですか！
とにかく誰でもいいからお一人選んで下さい！
選んでから、そのお相手と一緒にお寿司を食べに行って下さい！」