急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
ぷんぷん怒る亜里砂の隣で、涼しい顔でニヤリと笑いながら「肉でもいいんだぞ」と宣うた若様の脛に、ゴスッとヒールの爪先で蹴りを入れて、若様が痛がっている隙に部屋を出た。
8階に戻り、収まらない怒りに肩を震わせながら、壊しそうな勢いでキーボードを叩いていると、亜里砂の携帯端末がすぐに鳴り出し、出ると若様からだった。
てっきり先刻蹴った文句を言われるのかと思えば、「俺…明日は出張で、もしかしたら泊まりになるかもしれないから…」と訳の分からない事を言われ、「何でそんな、夫が妻に夜言っとくみたいなこと、私が聞かされなきゃいけないんですか!」と怒りに任せて言えば、「明日は縁談を持って来なくても良い、という優しさだろうが!」「何が優しさ⁉︎優しさなら、さっさと嫁を決めて見せてよ!」「はぁ?お前がろくなのを見つけて来ないからだろ!」
暫しの間、ぎゃーすぎゃーすと言い合い、まだ何か若様が言っているのを無視して電話を切った。
ハッとして顔を上げると、最初に北柴が目を剥いて自分を見ているのに気づき、恐る恐る周りを見回すと…美幸も松浦も環も、ポカンと口を開け目を丸くして見ていたので、亜里砂は真っ赤になり、穴があったら入りたい気持ちでいっぱいになったのだった…。
8階に戻り、収まらない怒りに肩を震わせながら、壊しそうな勢いでキーボードを叩いていると、亜里砂の携帯端末がすぐに鳴り出し、出ると若様からだった。
てっきり先刻蹴った文句を言われるのかと思えば、「俺…明日は出張で、もしかしたら泊まりになるかもしれないから…」と訳の分からない事を言われ、「何でそんな、夫が妻に夜言っとくみたいなこと、私が聞かされなきゃいけないんですか!」と怒りに任せて言えば、「明日は縁談を持って来なくても良い、という優しさだろうが!」「何が優しさ⁉︎優しさなら、さっさと嫁を決めて見せてよ!」「はぁ?お前がろくなのを見つけて来ないからだろ!」
暫しの間、ぎゃーすぎゃーすと言い合い、まだ何か若様が言っているのを無視して電話を切った。
ハッとして顔を上げると、最初に北柴が目を剥いて自分を見ているのに気づき、恐る恐る周りを見回すと…美幸も松浦も環も、ポカンと口を開け目を丸くして見ていたので、亜里砂は真っ赤になり、穴があったら入りたい気持ちでいっぱいになったのだった…。