急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「…だいたいの経緯はわかった。でもそれがどうして、お前が『稀代の悪女』という話になるんだ?」
(そう、その後が本当に酷かった…)
「独身の時に住んでいたマンションも解約し、式の日から池澤と二人で暮らすための新居に、何もかもを運び込んでいた私は、その日住む家も無く困りましたが、海外にいる両親に代わって親代わりとなってくれている美幸さんが『うちにいらっしゃい』と言ってくれ、暫く置いてもらったんです。
幸い式が終わってから入籍することになっていたので、戸籍にバツがつくこともありませんでした。
池澤は…私が去った後、身内に強く説得されて、私が座っていた椅子に三吉涼香さんを座らせ、披露宴を続行したそうです。
私が握らせた結婚指輪を薬指に嵌め、ブーケを持って…頭にティアラを載せた彼女が、幸せそうにニコニコと微笑む横で、白いタキシードの胸を鼻血で染めた池澤が、茫然自失の体で座っているのは、この上なくシュールだったと、彼側の招待客の中にいた同期の…先程若様も会われた柳谷君が言っていました。
式の後で、二人は揃って入籍も終えたと人伝に聞きました」
「クレイジーだわ!」
山藤が呟く。
(そう、その後が本当に酷かった…)
「独身の時に住んでいたマンションも解約し、式の日から池澤と二人で暮らすための新居に、何もかもを運び込んでいた私は、その日住む家も無く困りましたが、海外にいる両親に代わって親代わりとなってくれている美幸さんが『うちにいらっしゃい』と言ってくれ、暫く置いてもらったんです。
幸い式が終わってから入籍することになっていたので、戸籍にバツがつくこともありませんでした。
池澤は…私が去った後、身内に強く説得されて、私が座っていた椅子に三吉涼香さんを座らせ、披露宴を続行したそうです。
私が握らせた結婚指輪を薬指に嵌め、ブーケを持って…頭にティアラを載せた彼女が、幸せそうにニコニコと微笑む横で、白いタキシードの胸を鼻血で染めた池澤が、茫然自失の体で座っているのは、この上なくシュールだったと、彼側の招待客の中にいた同期の…先程若様も会われた柳谷君が言っていました。
式の後で、二人は揃って入籍も終えたと人伝に聞きました」
「クレイジーだわ!」
山藤が呟く。