急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「わかった?柴ケン!パーティの時は、ぼーっとしてたり、誰と誰が上手くいきそうかなんて事だけを見ていたらダメなのよ!もっと人として興味を持って、お客様を見るようにしなさい」

「はーー〜ーい」

「あ!その返事!あんた社会人としてそれ失格だからね!返事はハイ!」

「はい、は〜い」

「きーーッ!腹立つ〜ッ!」

(全く、美幸さんってば…北柴君が4月に入社して以来、ずっとこうなんだから…。毎日楽しそう…。ほんと気に入ったのね…)

「坂田様…田嶋様…ご成婚っと…」

亜里砂が呟きながらボタンをクリックすると、画面上で薬玉がぱかっと割れ、「おめでとう!おめでとう!」の文字と共に、紙吹雪が一面に舞い、白い鳩が何羽も飛び立った。

「あ〜ーッ!亜里砂さん!俺がポチりたかったのに!」

「そうなの?ファイル開いてたからついでと思って…ごめんなさい。今度、(私の分を)やらせてあげるから許して」

亜里砂が眉尻を下げ笑って言うと、北柴が何故か顔を赤らめて「マジですか⁉︎絶対にですよ!」と呟いた。

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