急募！ベリーの若様が花嫁を御所望です！

通りかかったSE(システムエンジニア)の松浦太一(32歳)が、北柴の頭をポカッと殴る。

「痛ってぇ！…なんで殴るんすか〜」

北柴が頬を膨らましながら、松浦を見上げた。

「いや…柴ケンの頭の中がイヤらしいことでいっぱいだったから…」

思い当たるふしがあったのか、北柴の頬が赤く染まる。

「想像するくらいいいじゃないですか…！」

「いやいや、今は仕事中だからダメだろう。せめて家に帰ってから想像しろよ」

「なぁに？何のこと？」

「亜里砂ちゃん、コイツ…今…」

「わーーーーっ！と…！ところで…！
以前からずっと訊きたかったんですけど…！
亜里砂さんの結婚に求める条件は何ですか？
そもそも亜里砂さんは今までに結婚したいと思った事はないんですか？」

「え………」

北柴の言葉に亜里砂は固まった。

「何驚いてるんです？亜里砂さんだったら、男なんて選り取り見取りでしょ？今まで付き合った歴代彼氏の中で、結婚したいと思った男は誰もいなかったんすか？」