急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
が…。
それはいつもほんの短い逢瀬ではあったが…。
毎日そんな事が続けば、亜里砂の心を波立たせるのには十分だった。
ただでさえ…大也から『好きだ』と言われ、プロポーズされたのに、逃げ出したままなのだ。
さすがにいくら鈍い亜里砂でも、金持の病室でされたヘッポコプロポーズと、大也の執務室でされたあの告白は、全く違うものであると認識できていた。
とうとう亜里砂は…大也とそこ此処で顔を合わせるたびにドキドキと心臓が躍りだし、心拍数が一気に跳ね上がるようになってしまった。
「はー〜っ…。なんだか韓流ドラマみたいな展開になってきた…。偶然に偶然が重なって…って…言って…いくら何でもこれ会いすぎでしょ」
亜里砂はベリーマリアージュサービスの自席で頭を抱える。
実際…最近になって…ベリーヒルズビレッジ内を歩くたび、亜里砂は大也の姿を、ついつい条件反射のように目で探してしまう自分に気づいていた。
(あれから、好きだとかは何も言われてはいないけど…こんなに何度も何度も会ったら、嫌でも意識しちゃう!)
会えば話もするし…話をすれば、大也はいつでも愛しくてたまらないという瞳で、亜里砂を優しく見つめる。
あの日、亜里砂の事を好きだと認めて以来、その気持ちを少しも隠そうとしない。