急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「あーちゃん、そろそろ時間じゃない?」

美幸の言葉に、クリスマスに向けて予定している、規模の大きなお見合いパーティーの案を練っていた亜里砂は腕時計を見た。

「あ、ほんと…」

亜里砂は慌てて立ち上がる。

時刻は17時を過ぎた所だ。
これからが亜里砂の仕事の本番…。

亜里砂の出社時間は大抵昼からで、退社時刻はだいたい22時過ぎなのだが、0時を回る事も多い。
この会社は、コアタイム無しのフレックス制で、何時に出社しようが、何時に退社しようが、仕事の共有報告さえして『仕事』と『お客様』に迷惑をかけなければ、文句を言う者もない。
美幸と亜里砂と北柴は、互いの抱えている案件も、常に報告し合い共有しているので、担当が不在の場合でも、お客様の問い合わせに困る事態は起こらないのだ。

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