急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「『無理』と『できません』は俺の一番嫌いな言葉なんだよ!俺の部下なら即クビだぞ!
いったい何を勿体ぶっているんだ!さっきも言っただろう。俺の一分がいったい幾らするかわかってるのかって…。今ここでサインするだけで、俺と結婚し『一護』の後継者の嫁になれるんだぞ。どれ程の数の女がその地位を欲しがっていると思ってるんだ。
いいか!過度な浪費は困るが、一生金に困らないくらいの適度な贅沢はさせてやる。俺は忙しいから、結婚したからと言ったって…年に数回顔を合わせるくらいで、嫌なら別に俺と会話もしなくていいし、さっきも言ったように、お前に恋人がいようがいまいが俺は全く気にしない。お前も気にしなくていい。どうだ、幸せだろ…?
実際、俺の親父とお袋は、そんな感じで上手くやっているからな…。口約束が不安なら、書面にして契約しよう。仕事もしなくていい。一生生活の面倒を見てやると言ってる。こんな好条件…何を躊躇う事があるんだ。
ああ…まさか馬鹿みたいに、愛情なんてすぐに消えてしまう、あるか無いかもよくわからないような、つまらないものを求めているわけじゃないよな?
結婚なんて、たかが紙切れ一枚の契約だろう。誰としたって同じだ。
だから…条件が良い契約に乗るチャンスは逃さない方が…い…」

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