急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「…っこんを……ないで…」

「は?なんだ?」

大也の話の途中から、黙ってずっと下を向いてしまっていた亜里砂が、何かを小さく呟いたので…顔を覗き込もうと、大也が背を屈めた時…。

ばっちーーんっ!!

「結婚を!冒涜しないでって言ってるの!!」

亜里砂がきっと顔を上げて大也を睨み、思い切り腕をしならせビンタを一発くらわせたのだ!

金持も葉山も驚いて目を剥いた。


亜里砂が、かけていた伊達眼鏡をさッと外し、それをポケットにしまうと、その体からメラメラと…怒りのオーラが立ち昇った。

頬を反射的に手で押さえ…まるで雷に打たれたかのように…口をポカンと開け唖然とした大也の鼻先に、ずいっと人差し指を突きつけ、亜里砂は燃えるような瞳で睨みつけながら言う。

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