急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「お見合いパーティーの時に、坂田様をよく見ていたらわかったわよ。田嶋様が横に並ばれると必ず背筋をピンと伸ばして…少しでも大きく見せようとされていたし…。
庭園のスロープや段差で、坂田様、何気に田嶋様より山側に立とうと必死だったもの」

「へ…?」

「二回目にお二人で会われた時も、御座敷NGだったでしょ?男性でも女性でも、身長を気にされているお客様は、靴を脱がなくてもいい椅子席のレストランを希望されることが多いのよ」

亜里砂は北柴に向かって諭すように言う。

「さすが亜里砂さん!そんなとこ見ていたんですね!俺なんかまだまだだなぁ。一緒にあのパーティーにいたのに…何も見えてなかった…」

北柴がしゅんとなり、さっきまでブンブンと振りきれていた見えない尻尾が、途端にぷしゅーっと垂れ下がるのが見えた気がして、亜里砂は苦笑した。

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