急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「そこでお祖父様にお願いがあるのですが…。
こんな事にいきなり巻き込まれてしまった私への慰謝料だと思って!
彼の『嫁』の納期を、あと一ヶ月だけ延ばしては頂けないでしょうか?
今夜、このような形で私が関わり合ったのもまた何かのご縁ではないかと思いますし、そこにありますように…」

亜里砂は先刻テーブル上に置いた名刺を、手で指し示す。

「幸いな事に、私はベリータワー内の結婚相談所に勤めております。
我がベリー・マリアージュ・サービスの総力を上げて!このひと月で必ずや『顔と経済力さえあれば、モラハラのポンコツ男の嫁になっても構わないわ』と言って、その婚姻届に快くサインをしていただける、巨乳で奇特な女性を探し出し、絶対にお孫さんを結婚させて見せますから!!」

「う…うむ…良かろう…。では…頼んだ…」

「はい!御温情感謝致します!
では明日、改めて社長の堂上美幸の方からご連絡を差し上げますので…それでは…失礼いたします…」

亜里砂はニッコリ笑って、金持と葉山にそれぞれもう一度頭を下げると、まだ頬に手を当てたままの大也の方は一度も見ずに、特別室を後にした。



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