急募！ベリーの若様が花嫁を御所望です！

「まあ、お前は昔から野生の勘というか…鼻がよく効くからな…。お前が嫁と言って連れてきたのがあの娘ならば、それで間違いは無いのだろう…。あの様子を見た限りでは一筋縄ではいくまいが、まあ……頑張れ…。お前があの娘をどう口説き落とすか、儂も楽しみじゃ」

「…口説き…落とす…？」

大也がいきなり困惑顔になった。

「どうした…？」

「あ〜…女を口説くって…さ。いったいどうしたらいいんだ？俺、したことない…」

大也はこれまでの人生で、女に口説かれた事はあっても、女を口説いた事はなかった。
そんな事をしなくても、女はいつも勝手に向こうから、うんざりするほどわんさか寄ってくる。
『据え膳食わぬは男の恥』
学生の頃からとにかくモテたし…年上から年下まで幅広く膳はたくさん据えてあったので、とりあえず気が向けば食ってみたし…膳に強請られれば、秘書を通して適当に宝飾品やら何やらを贈ったこともあった。

でも…とりたてて思い入れも無い膳達が、自分の周りから消えたり増えたりする事に、少しも頓着した事はない。