急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
亜里砂は、勢いで大也の手を一瞬ギュッと両手で握ると、次の瞬間…タブレット端末を持って、すくっと立ち上がった。

「は?」

慌てて大也も立ち上がる。

「では、明日にでもまたお時間を、少しだけいただけますか?」

「ああ…それはいいが…でも…」

「次は、内面重視で選んで参ります!
若様!頑張って是非とも私と『愛する女性』をさっさと見つけてしまいましょう!それでは、早く戻ってリストアップにとりかかりたいので…今日のところは失礼させていただきます」

「ちょっ…待っ!ありっ…」

パタン…

「…さっ…」


亜里砂が綺麗なお辞儀をして、逃げるようにそそくさと部屋を出て行くのを、茫然として見送った大也は…。

「ちくしょうっ!」

頬に貼っていた湿布をベリッと剥がすと、執務机の上にべちんっと投げつけた。

「なんでアイツは人の話を聞かないんだ!」

昨夜、自分が亜里砂の話を一切聞かずに引っ張って連れて行った事は棚に上げ、大也は悪態をついた。

「くそっ!」

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