急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
昼間、様子伺いに行った金持の病室で…偶然会った『D』の奥方に、大也は詫びと文句を言われた後…亜里砂と結婚したいと願い出た。

奥方は「あーちゃんにも事情があるので積極的には協力出来ないけど、ビンタのお詫びに…今夜、あーちゃんの予定を空けておいてあげる事くらいなら出来るわよ」と言った。

少しでも…亜里砂の気を引きたくて…昨夜打たれた頬に、痛くもないのに…これ見よがしに湿布を急いで貼ってみたりした。

「痛くしてごめんなさい」と…。
亜里砂が頬を優しく撫でてくれたら…ちょっと嬉しいな…などと、馬鹿な事を考えていた。

亜里砂に会ったら…昨夜の事を、自分から潔く謝って…。

その後で…詫びの印と言って、旨い晩飯を食わせてやろうと思った。
そのために…山藤に無理を言って、後の予定を空けてもらっていた。

仲直りをした亜里砂と一緒に楽しく飯を食って…その流れで改めて…自分と結婚しようと…言うつもりだった。
そんなビジョンを描いていた。


「仕返しの…しの字もさせて貰えなかった…」

大也は執務机に両手をついて、ガックリと項垂れる。

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