急募！ベリーの若様が花嫁を御所望です！

山藤は、ポケットから自分の携帯端末を取り出し、「じゃ〜ん！」と大也にカメラ画像を見せる。

「お前！それ！」

「さっき『ボディーチェック』した時に、セキュリティのためって言って、撮ったんですよ。
あの方、何でも信じて受け入れるんですね。
余りにもお人好しなので、ちょっと心配になりました。どうですか？可愛く撮れているでしょ？」

「さっさと俺のとこに送れ！」

「いいですよ。若のところに、彼女の携番と一緒に送っておきますね。どうせまだゲットできていないんでしょ？」

「うるさい！あと、保安部にも…送っとけ」

「え？ああ〜、そうですね。了解です。でも、加減して下さい。しつこい男は嫌われますよ」

山藤が携帯端末を操作しながら言う。

大也が胸ポケットから自分の携帯端末を取り出すと同時に、ピコンと受信音が鳴った。

可愛い…

「若！顔をどうにかして下さい！見ていられません！」

少しだけ困ったような顔をして微笑む亜里砂の写真を見て…思わず口に手を当てニヤけていた大也を、山藤が叱る。