私を甘やかして、そして、愛して!
久実はテントの外でぴょんぴょんと飛び跳ねて
身体に熱をためた。
ハアハアと荒い息が真っ白い湯気のようになった。
ガンガンにジャンプした。
谷底にはまだ朝日が届かず薄暗いままで最初は気づかなかったが
見上げた空が明るくなっていた。
「朝だ!」
テントに戻った。
「翔平!朝になったよ。」
シュラフのファスナーを全開にしてめくり全身で抱きしめた。
というより上から覆いかぶさってシュラフをかぶった。
よしよしと頭を撫でながら声をかけ続けた。
「翔平。翔平。お願いだから、目を開けて。」
涙がポタポタとこぼれ落ちた。
温かくなった自分の胸を翔平の首筋辺りに寄せて
熱が伝わるようにした。
「外、明るくなったよ。ねえ、聞いてる?帰ろうよ。帰って一緒にご飯食べようよ。」
久実は心の中で必死に祈った。
「お兄さん、翔平を助けて!私の声が聞こえたら、どうか翔平を助けてください!」
乾くそばから凍る涙の痕で頬がヒリヒリと赤くなった。
「く、久実。」
とかすかに声がした。
「翔平!翔平!」
ひときわ涙を流しながら呼び続けた。
「お、重い。」
久実はハッとして飛びのいた。
「重くて悪かったわね。」
「兄さんに会えた。」
「えっ?」
まだ意識がちゃんと戻ってないのだろうか。
「兄さんがいた。」
久実は翔平の頬をそっと撫でた。
「良かったね。会えて良かったね。」
そう言ってポロポロと流れる涙を止めることができなかった。
身体に熱をためた。
ハアハアと荒い息が真っ白い湯気のようになった。
ガンガンにジャンプした。
谷底にはまだ朝日が届かず薄暗いままで最初は気づかなかったが
見上げた空が明るくなっていた。
「朝だ!」
テントに戻った。
「翔平!朝になったよ。」
シュラフのファスナーを全開にしてめくり全身で抱きしめた。
というより上から覆いかぶさってシュラフをかぶった。
よしよしと頭を撫でながら声をかけ続けた。
「翔平。翔平。お願いだから、目を開けて。」
涙がポタポタとこぼれ落ちた。
温かくなった自分の胸を翔平の首筋辺りに寄せて
熱が伝わるようにした。
「外、明るくなったよ。ねえ、聞いてる?帰ろうよ。帰って一緒にご飯食べようよ。」
久実は心の中で必死に祈った。
「お兄さん、翔平を助けて!私の声が聞こえたら、どうか翔平を助けてください!」
乾くそばから凍る涙の痕で頬がヒリヒリと赤くなった。
「く、久実。」
とかすかに声がした。
「翔平!翔平!」
ひときわ涙を流しながら呼び続けた。
「お、重い。」
久実はハッとして飛びのいた。
「重くて悪かったわね。」
「兄さんに会えた。」
「えっ?」
まだ意識がちゃんと戻ってないのだろうか。
「兄さんがいた。」
久実は翔平の頬をそっと撫でた。
「良かったね。会えて良かったね。」
そう言ってポロポロと流れる涙を止めることができなかった。