この声で、キミに「好き」と伝えたい。
「痛いのキライって…。それでも、覇國の総長なの〜?」

「はははっ!よく言われるっ」


豹くんに、頭をぽんぽんと撫でられた。


あたしの頭がすっぽりと収まるんじゃないかと思うくらいの大きな手のひら。


さっきまで、あんなにこわい思いをしていたというのに、これまでたくさんの仲間を守ってきた豹くんのこの手だからこそ、こんなにも安心感に包まれるのか。



「千歌。これからは、こんな人通りのない路地裏に入ったらダメだよ」
< 212 / 898 >

この作品をシェア

pagetop