この声で、キミに「好き」と伝えたい。
『親の七光り』


そんな嫌味や妬みを跳ね返したくて、『雨宮和歌子の娘』じゃなくて『雨宮千歌』として見てもらいたくて、あたしは今までがんばってきたのに……。


やめて、ママ…!!


あたしはママの服を掴んだ。

ママの暴走を止めたくて。


だけど、あたしの気持ちは言葉にしない限り、ママに伝わることはなかった…。


「大丈夫。千歌はなにも心配しなくていいから」
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