ご縁婚 お見合い結婚のはずですが、溺愛されています?
「茉奈花は、魚好きだよな」
「そうね。自分で作るのは手間もかかるし難しいから」
そんな会話をする私たちを見つつ、雅貴さんはニコニコとぶっこむ。
「茉奈花ちゃんは、どんな家具や食器が好きかな?」
唐突に問われたことに、私は少し考えると答えた。
「そうですね。使いやすくてシンプルなのが好きです。落ち着きがあって、温かみのあるものですかね」
そんな私の答えに、希代美さんが頷きつつ相槌のように返してくれる。
「そうね。茉奈花ちゃんの部屋はナチュラルなカントリー風で、木目の温かな雰囲気の家具を選んでるわよね」
私の部屋に遊びに来たり、預かってた沙希ちゃんを引き取りに来たことのある希代美さんは、現在の一人暮らしの部屋を知っている。
「そうか。ちなみに好きな色は?」
「パステル系? 明るい淡い感じの色が好きです」
なぜ家具や食器の好み聞きたいのだろう、そんな疑問の答えは週末に二人でデートに行くことで判明しました。
そう、この人両家の親に承諾をかってにもぎ取っておりました。
それは家具店に連れられて行って、判明するのでした。
「今日の目的地はここですか?」
大きな高級路線の都内一と言われるショールームに連れてこられた私は、つい聞きました。
デートでこんなお店に来るのって、初としてはちょっとおかしいよね?的に聞いたつもりでした。
そしたら、ニコッと小首を傾げて彼は言ったのです。
「うん? 両家の親には了解を得たんだよ。 お互い仕事もあるし、会う時間を作るのも大変だから、もう結婚前提だし、同棲して相互理解を深めたいって言ったら。オッケーって」
浩一郎伯父さん!!
嫁入り前の娘の同棲の許可なんて、本人に聞かずに出さないでください!!