ご縁婚  お見合い結婚のはずですが、溺愛されています?
少し慌ただしく年を越し、新年に両家へ挨拶に顔を出した元旦。

雅貴さんの実家からの帰り道で初詣も済ませ、翌日2日は明日に式を控えているのでゆっくり過ごしている。

何せ、明日はお昼からのお式と夕方からの披露宴のため朝から準備で大忙しとなっているから。

「それにしても、三が日にお式と披露宴で参加者がよく集まったよね」

普通はお家でまったり過ごすか、それこそセレブな方々は海外で新年を迎えそうなものだと思っていたので、会社関係者もほぼ揃うこの日取りの披露宴に驚いたものだ。

「意外と会社役員ってのは誰かしらは国内に居なくてはならないし、顔合わせの機会として新年挨拶回りなんてのもあるから予定を抑えやすい時期でもあるんだよ」

2ヶ月前に決めて、1か月前の招待状にもかかわらず国内大手の企業の社長や、財閥系故のお付き合いのあるお家なども参列するとの事。

経済界の大物が揃うので実は警備もかなりしっかりする予定となっているという。

そういったことも考えて、式場は警備もしやすく元々から敷居高めなホテルの宴会場とそのチャペルを押さえたのだという。

「まぁ、披露宴会場の規模を考えると自ずとここしかないってなるから選びようがなくて申し訳ないけれど」

などという雅貴さん。
私は会場にもお式にも不満は無いし、披露宴も会場の雰囲気は私に任せて貰えたから満足している。
それに母のドレスを着られることが何より嬉しいから。

「私はこじんまりとしたお式が出来て、披露宴会場も私の好きな雰囲気で整えてもらえて十分満足ですよ」

私の顔を見て、雅貴さんもそれが本心だと分かったのかキュッと後ろから抱きしめて安堵の息をついた。

「茉奈花がそう思ってくれてるなら大丈夫かな。明日が楽しみだね」

お互いの気持ちを伝えあってから、増えたスキンシップにはまだ慣れずぎこちないけれど、少しづつ慣れてきたところ。

人にくっつくと安心感があるんだと雅貴さんと過ごして実感している。
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