ご縁婚 お見合い結婚のはずですが、溺愛されています?
このままでは、まずいとは思うのでこの誕生日を機に婚活でもしようかなと漠然と考えていた私に、それ以上の物事を運んできたのは伯父である浩一郎さんだった。
「そうそう、茉奈花。おまえ、お見合いしてみないか?」
美味しい角煮をほおばっていた私は、喉に引っ掛かりそうになりつつ飲み込むと、返事をする。
「えぇ、なんでいきなりお見合い? まぁ、確かにそろそろ考えないといけない年頃だとは思うけれど……」
多少自身でも考えていただけに、お見合いを強く拒否することは出来ず、濁したような返事になる私に、浩一郎さんはニコニコと告げた。
「浩太郎に聞けば、茉奈花に特定の相手がいたことはないって言うし。それには、日奈子も同意しているし。 俺と日奈子が元気なうちに、茉奈花のことを送り出したいんだ。誠二郎と美里さんの代わりにな」
実の両親を出されてしまえば、そうそう否やとは言えない私は、ひとまずお相手について聞いてみることにした。
「お父さんが言う、そのお見合い相手ってどんな人なの?」
それに、浩一郎さんはとっても楽し気に答えてくれる。
「しっかりと仕事をしていて、実は浩太郎とは同級生でな。茉奈花とは、少々縁があるから、向こうからお願いされてね。会ってみないか?」
まさかの、私は良く知らないけれど、向こうは知っているパターン?
浩太郎兄さんの同級生って、昔見かけたことあるけれど、見た目のかっこいい人ばっかりだった気がするんですけれど……。
なんだか不安だなと思いつつも、会うだけならとこの話を受け入れたのだった。