麗しの彼は、妻に恋をする
「彼女たちは彼に嫌われたくないから、表面上そうしているだけですよ。あなたが一体何者なのか、あなたが予想する以上に、彼女たちはあなたに注目していますから」

意味あり気にそう言われると、なんだかちょっと怖い。

「女性たちだけじゃない。彼に嫉妬し彼を困らせたい男たちは、妻であるあなたを狙うでしょう。彼を寝取られ夫にしたくてウズウズしている」

「なんですかそれ、もぉ。脅かさないでくださいよ」

クスクスと笑いながら夏目は、「さあ、来ますよ。私から離れないでくださいね」と囁く。

「夏目さん、紹介してくださいよ。そちらの美人はどなたですか」

次々と現れる男性たちは、皆がみな柚希を綺麗だ美しいと持て囃し、女性たちが和葵を誘ったように柚希を誘ってくる。
いついつのパーティに来てください。クルーズ船を買ったので是非ご一緒してください。今度店に来てください。

< 128 / 182 >

この作品をシェア

pagetop