麗しの彼は、妻に恋をする

「私が、ですか?」

「ん? そうだよ?」

エレベーターに乗り、閉まりゆく扉の先に、見知った顔が柚希を見ていた。

――え、芳生さん?
芳生は、フォーマルなスーツを着ている。

もしかしてさっきのパーティに来ていたの? と思った時、柚希の唇は和葵の唇で塞がれた。

「柚希、君を抱きたくて、ずっと我慢してた」

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