麗しの彼は、妻に恋をする
「マグカップのひとつは僕が使おうと思っているけどね」
――ええ? そ、そうなんですか?
なんだかものすごく意外な気がして、続けてお礼を言うべきところが口をパクパクさせるだけで戸惑いを隠せなかった。
「そんなに驚くの?」と言って、彼はクスクスと笑う。
目を細めて本当に楽しそうに笑うので、ついつられて頬が綻んでしまう。
「たまたま通りかかって、立て看板に貼られていたポスターを見た。
あのマグカップの写真に魅かれてね。
それで店に入ったんだけれど、実際に見て、温もりのあるいい器だなと思った」
彼が言ったポスターは柚希の個展を告知するポスターで、使われた写真は彼が買ってくれたマグカップを中心に撮ったものだ。
手に取った時、ホッとしてもらえるようなカップ。
そう思いながら作ったお気に入り。
"温もりのあるいい器"
それは柚希にとって、最高の誉め言葉である。
「君は、楽しみながら作っているでしょう?」
――ええ? そ、そうなんですか?
なんだかものすごく意外な気がして、続けてお礼を言うべきところが口をパクパクさせるだけで戸惑いを隠せなかった。
「そんなに驚くの?」と言って、彼はクスクスと笑う。
目を細めて本当に楽しそうに笑うので、ついつられて頬が綻んでしまう。
「たまたま通りかかって、立て看板に貼られていたポスターを見た。
あのマグカップの写真に魅かれてね。
それで店に入ったんだけれど、実際に見て、温もりのあるいい器だなと思った」
彼が言ったポスターは柚希の個展を告知するポスターで、使われた写真は彼が買ってくれたマグカップを中心に撮ったものだ。
手に取った時、ホッとしてもらえるようなカップ。
そう思いながら作ったお気に入り。
"温もりのあるいい器"
それは柚希にとって、最高の誉め言葉である。
「君は、楽しみながら作っているでしょう?」