麗しの彼は、妻に恋をする
『細いだけかと思ったら、一応筋肉らしきものもあるんだね』
昨夜ベッドのなかで、柚希の二の腕をツンツンしながら彼がそんなことを言った。
粘土をこねるのと、冬に備えて工房の薪ストーブ用の薪割りのせいだと思いますと答えると彼は笑ったが、柚希にしてみたらそれが普通の生活なのだ。
それにしても面白い人だと思う。
どこまでも陽気だし、裸族であるのも納得の、知れば知るほど気さくな人だった。
いま彼はソファーでゆったりと足を組み、雑誌を読んでいる。
シャワーを浴びて肩にタオルをかけたまま、髪はまだ少し濡れたままのボサボサ頭。パンいちでいるのになぜだか優雅だ。
左手の薬指にはしっかりと指輪がはまっている。
自分がしている指輪とペアであることが、柚希には不思議な気がして仕方がない。
「和葵さん」
「ん?」
「私、何をすればいいですか?」
「あ、もしかして暇?」
「はい」
「じゃあ、もう一回、する?」
――する? えっ!
夕べもしたというのに、朝からいたしたばっかりだ。絶句とともに全身が赤くなる。
昨夜ベッドのなかで、柚希の二の腕をツンツンしながら彼がそんなことを言った。
粘土をこねるのと、冬に備えて工房の薪ストーブ用の薪割りのせいだと思いますと答えると彼は笑ったが、柚希にしてみたらそれが普通の生活なのだ。
それにしても面白い人だと思う。
どこまでも陽気だし、裸族であるのも納得の、知れば知るほど気さくな人だった。
いま彼はソファーでゆったりと足を組み、雑誌を読んでいる。
シャワーを浴びて肩にタオルをかけたまま、髪はまだ少し濡れたままのボサボサ頭。パンいちでいるのになぜだか優雅だ。
左手の薬指にはしっかりと指輪がはまっている。
自分がしている指輪とペアであることが、柚希には不思議な気がして仕方がない。
「和葵さん」
「ん?」
「私、何をすればいいですか?」
「あ、もしかして暇?」
「はい」
「じゃあ、もう一回、する?」
――する? えっ!
夕べもしたというのに、朝からいたしたばっかりだ。絶句とともに全身が赤くなる。