過保護な君の言うとおり
それから数日、洸と帰ったり一緒に出かけようと連れ出されたりした。
そして、前のように私が相槌を打たなくても喋り続けるところは変わらなかったが、沈黙ができることが多くなっていった。
洸は何か考え込むように俯く。
私から話を振らない。それは前と変わらないのに洸は不満げな顔をするようになった。
おしゃれなカフェで辛気臭い顔をしている洸に向かって
「なんだ、お前から誘ったんだぞ。そんな顔されちゃかなわない」と私は嫌味たっぷりに言った。
佐久間が洸と一緒にいればそのうち解放されると言っていた意味がようやく分かった。
私は変わってしまったのだ。
あのアホ佐久間に絆されて。
「俺の前で玲は、前と変わらない振る舞いをしている」
洸は言った。