過保護な君の言うとおり



 いつ終わるのか、ここを去っていくのを待っていたが全然終わる気配がない。



寝るにも聞こえてくる会話が耳障りで一方的な物言いに、私はイライラして眠りから直ぐに引き戻される。



私は起き上がって重い腰を上げ、一度伸びをする。


そしてふらふらと三人の元へ近づいた。


私がそっちへ向かってる間も、品野さんと皆川さんは罵倒に夢中で全然こっちに気づきやしない。


なんなんだ、こいつらは暇なのか、それともそういう趣味なのか。



「……お前ら、うるさい」

「ひぃっ!!」



 別に驚かすつもりは無かったが、品野さんと皆川さんはとても驚いた様子で声を上げた。


まあ、突然場違いに眠たい顔の私が出てきたんだから仕方がない。


「……で、何してんの」


委員長は私の足元で倒れ込んでいた。



「み、宮代さん。ど、どうしたの?」


皆川さんが恐る恐る言った。

どうしたの、じゃねえよ。流石にこの状況ではシラを切れないだろ。



こっちも馬鹿だなあ、お人好しの委員長はしりもちをついて泥だらけだ。



「そこで寝てたのに、お前らがぴーぴーうるせえから起きてきたんだよ」



私は視線を委員長の方に向ける。委員長は一瞬目を合わせたが直ぐに俯いた。



「こいつに言いたいこと言ったんなら、さっさとどっか行ってくれよ。

こんなことで昼休み使うなんてもったいねえだろ。

私も、あんた達も」



「そ、そうだね。ごめんね起こしちゃって!」


品野さんは何故か目じりに涙をためて言った。


「皆ちゃんもう行こ」


皆ちゃんとは皆川さんのことだろう。

品野さんはこくこくと頷いた彼女の腕を引いて旧校舎を後にした。



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