過保護な君の言うとおり


「どうせさっきのホームルームで決めたんだろう。隣のクラスのざわざわした声が聞こえてた」


「なんでもお見通しだね玲ちゃん。だったら話が早いなあ、一緒に……」


「やらない」



 私はそう言ったけど、何となく直感していた。


次の時間のホームルームでしっかり私は手を挙げて図書館委員に入るだろうと。



「じゃあさ、まだ僕頼み事してたかったよね玲ちゃんに」


「頼み事? なんだそれ」


私はすっとぼけた。佐久間が次に何を言うかは見当がついた。


「助けたお礼に一緒に図書館委員やってよ。ちなみにそっちから言ったんだよ。

玲ちゃんの希望通り、僕の望みを叶えてよ、ね?」



 屈託のない笑顔で佐久間は言った。こいつは案外食えないやつだ。



「……はぁ、わかったわかった」


「ほんと? やったあ!」


「もう、教室戻れよ。お前目立つから」


「約束だよー? あ、ちょっと押さないでよー」


 私は佐久間の背中を廊下まで押し出した。

 そして、渋々退散した佐久間を見送って、私は席につく。


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