過保護な君の言うとおり



でも、佐久間は正直いって『優しい』人間だと思う。


「じゃあさ、玲ちゃんは今までその秋子さんの優しさを疑ったことはある?」


「ないな。秋子さんは私にとって唯一無二の大切な人だから」


「信頼してるんだね」


佐久間は嬉しそうに微笑んだ。



「僕が玲ちゃんのお見舞いに行ったのは、心配だったからだよ。

人間は損得では測れない、頭で考えるよりも、気持ちが先行することだってある。

もうそれは、情というか……反射に近い」



「だから、お前は私を助けたのか」

私は頷く。

「それにしても助けてくれたのは分かるが、見舞いに来るのはだいぶ変だぞ。私たちは今までなんの関わりもなかった」


「ま、まあ。いいじゃん」


佐久間は頭をポリポリとかいて言葉を濁した。

なんだやましい理由でもあったか。


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