過保護な君の言うとおり
「分かったわ、こんなに玲ちゃんと離れたことないから私の方が不安だわ。……じゃあ、行ってきます」
「うん。行ってらっしゃい」
秋子さんは私をぎゅっと抱きしめると、重そうなキャリーバックを引きずって出ていった。
秋子さんがいなくなった部屋を振り返ると、
時間が永遠に止まってしまって、温度とか匂いとかが、
私の知らない所のような感じがした。
もう少し寝ようか。
そう思って布団に入るけれどなかなか寝付けなかった。
夢と現をさまよう感覚が続いて、気づくともう起きる時間になっていた。