過保護な君の言うとおり


「……はあ」

とため息をついた佐久間は、頭を掻きながらこっちを振り向いた。



「えっ!……玲ちゃん、いつからそこに……」


 やっと私の存在に気がついたらしい佐久間は顔を赤くして


「今の会話って、聞いてた?」と言った。


「バッチリな。案外モテるんだな、佐久間」



私は読んでいた本をおいて机に頬杖をつく。



「からかわないでよ。あ〜あ、玲ちゃんに見られてたなんて、恥ずかしすぎる……」


佐久間は顔を覆いながら私の隣に腰を下ろした。


「そんな顔して本命に勘違いされても知らねえぞ」


と言うと佐久間は


「絶対そう言うと思った」と肩を落とした。



なにがなんだか全然分からなかった。


本命がいるなら、私にベタベタくっついていたらそれこそ誤解されると思うのだけれど。


いまいち佐久間がなにを考えているのかさっぱりだ。



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