過保護な君の言うとおり
「ねえ、玲ちゃんは僕のこと好き?」
突然、佐久間が私の椅子を掴み、くるりと回した。向い合わせにさせられ、尋問でも始まるのかと思った。
佐久間の目はまっすぐ私を捕らえる。
「なんだよ急に」
「ちょっと聞いてみたくなって。
僕って気になったら真っ直ぐ進むタイプだってわかったから、
玲ちゃんにうざいと思われてたら嫌だなと思って」
「まあ、うざいな」
私はキッパリ言った。
ほとんど毎日のように私の教室に来ては喋り倒し。
教室の空気を摩訶不思議な感じにさせてチャイムが鳴ると名残惜しそうに私の席から離れない。
その結果、先生に引きづられるように帰される始末。
これをうざいと言わない訳がない。
もしかすると、こいつクラスに友達がいないんじゃないかと思ったが、むしろその逆で、チヤホヤされているような人気者だった。