過保護な君の言うとおり


「えっ! も、もしかして嫌だった!?」


佐久間は口の端をひくひくさせ、挙句、涙目になっている。


「馴れ馴れしくしすぎたかも……」


「ち、ちがう! そうじゃなくて……」


佐久間に誤解させたくなくて私は否定する。

この気持ちをどう表せばいいか、伝えるのはとても難しい。



「お前があんまり世話好きだから感心しただけだ!」



 ああ、なんか思ってるのと違うニュアンスになってしまったが、佐久間は私の答えを聞いて胸をなでおろしていた。



「世話好きかあ。僕、玲ちゃん大好きだからなあ」

頬が落ちるような笑顔で佐久間が呟いた。

「え? 今なんて言った」



 私は耳を疑った。


胸が波打ったが、これはときめいたとは程遠い、嫌な予感のせいだ。


私は目を細める。


「……大好きってなんだ。どういう意味だ。それは友達としてか」


「……え、僕声に出てた?」


 引きつった笑みで佐久間は言って、その後少しの沈黙が支配した。


「どうなんだよ」


 私の剣幕に言い淀み、逡巡した後、佐久間は、ゆっくりとした口調で言う。


「友達としてというより。傷つけたくない、大切にしたい、そういう気持ちが強いから」


「じゃあ……」


「僕は……玲ちゃんが好き、恋愛感情として」


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