過保護な君の言うとおり
「……そうか」
佐久間まで、そういうつもりで私に構っていたのか……?
あの茶髪野郎と同じで、だから見舞いにまできたのか、だから委員会にも誘ったのか……。
去年のあの出来事を思い出す。すごく、嫌な思い出。
あんなにも恐ろしく、私に気持ちを強要するそいつらと、佐久間は同じなのか?
そう思うとても残念だった。
心のどこかで佐久間には何も望まれないと安心していたのかもしれない、
委員会に誘われたのは友好的なもので、そこには深い感情なんてないと思っていた。
私は立ち上り、本を書架に返しに行った。
「もうすぐ昼休みが終わる。……じゃあな佐久間」
私はそう言って佐久間に背を向けた。
「玲ちゃんっ」
私はその呼び掛けも聞かずに図書室を出た。
無視して飛び出したのは私の方なのに無性に泣きたくなった。
なんでだろう、すごく悲しい。