過保護な君の言うとおり




 目が覚めたのは保健室だった。


佐久間の声がカーテンの向こうから聞こえ

「はい。そうです……はい……」

どうやら電話をしているようだ。



でも誰に?




「母からも電話がいくと思いますので……はい、それでは」


 電話を終えた佐久間がカーテンを引いた。



「あ、よかった起きた? 体調はどう? 貧血気味らしいからもう少し横になってるといいよ」


落ち着いた声で佐久間は言う。いつもの慌てっぷりが嘘みたいだ。



「僕、秋子さんが帰ってくるまで玲ちゃんと一緒に住むことになったから」

「は?」


「僕の母さんから秋子さんにも電話がいってると思う。

安心して、万が一僕が玲ちゃんに手を出そうもんなら母さんが『僕を殺す』とまで言ってるからね。

僕の命に変えても身の安全は保証するよ」



 まさか、そばに居させてってこういうことなのか? 



あの言葉はそこまでのリアルを孕んでいたのかと思うと、呆れた。


「もう何なんだよ」と言う思いだ。ちょっとときめいた私が馬鹿みたいじゃないか。


これは世話好きの範疇から大きく外れていると思う。


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