過保護な君の言うとおり
「それを聞けてよかったよ。
自分の選択が間違ってたかもって思ってビクビクしてたから……。
僕はいつもそうやって歩いてきた足跡を振り返っては確認したくなる。
間違ってなかったかな、大丈夫かなあって」
佐久間は真っ直ぐで、ひとつの物事に一生懸命なイメージが大きく、
何かに迷ったり、くよくよすることとは無縁のように思っていた。
「そういうのは考えようだろ」
私は人を励ましたり、そういう事をしたことがなかったので、ぎこちなく呟くように言うしか出来なかった。
「正解が存在しない世界で最善を選んできたと、そう思ってもいいんじゃないか。
選択が未来に影響するのだとしたら、やはり正しかったのだと、言えることが幸せだ。
いつだってお前は正しい。
だから、自信持てよ」
どうせ選択しなかった方の未来が見えるとかじゃないんだ。
自分が選んだんだったら、それが一番いい結果を生むとそう信じるくらい、誰にも咎められたりしないだろう。